教育長に答弁を求めます。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 成人年齢の引下げに伴う投資の授業について、5点のお尋ねにお答えいたします。
1点目、まず授業の内容についてですが、高等学校の公民科、家庭科の時間に預貯金、保険、株式、投資信託など
金融商品のメリットやデメリットなどの資産形成について学習を行います。投資以外の金融に関する項目としては、クレジットカードの利用等、消費者としての権利と義務について学習を行うことが
学習指導要領に示されております。
2点目の年間の授業数等ですが、
熊本市立学校の場合ですが、第1学年の公民科で消費者としての意識を高める授業を、また第2学年までの家庭科で契約に関する実践的、体験的な授業を、それぞれ年間70時間の授業のうち、1時間から2時間程度実施する予定としております。
3点目に
教員研修ですが、
熊本市立高校については、
文部科学省、金融庁などの解説動画の紹介、
学校訪問指導、
金融証券業界の
講師派遣事業を活用した
教員研修を継続して行う予定としております。
4点目の
学習指導要領に盛り込まれた経緯ですが、
成年年齢の引下げに伴い、保護者の同意なく
金融商品の購入ができるようになることから、高校生の段階から消費者としての知識と実践力を身につけるために、
学習指導要領に盛り込まれたものです。
5点目の新学期を控えた現在の課題についてですが、生徒の意識や中学校までの学習等の実態を把握し、実社会で活用できる授業にするための準備が必要であると考えております。引き続き、高校への
情報提供等の支援を行ってまいります。
〔14番
吉村健治議員 登壇〕
◆
吉村健治 議員 改正民法が施行される4月1日より、
成年年齢が18歳に引き下がることは、明治初期に
成年年齢が二十歳と定められて以来、146年ぶりの大改革であります。様々な場面で自分の意思によって選択、決定ができるようになりますが、反面、大人としての行動に重い責任が生じます。
保護者同意のない契約は取り消せるという現民法の規定は適用されず、
ローン契約の締結や
金融商品の購入により重い債務負担や
悪徳商法等の
消費者トラブルに遭う危険性が高まり、それが心配されております。
そういった負の一面をしっかりと学び、予想されるトラブルを回避できるよう、そのすべを知る授業となればよいのですが、1年間で一、二時間というほんの僅かな時間の中で、投資の勉強が単なる金もうけの知識取得のみに終始しないようにしなければなりません。
あわせて、授業を行う
教育現場についても言及すると、
文部科学省の
教員不足に関する
全国実態調査によると、今年度、当初配置された教員数は予定数に比べ全国で2,558人も不足していたということで、学校全体の5.8%、1,897校が該当するという厳しい現実が改めて数字として判明いたしました。
文部科学省は、
教員不足について臨時教員などが確保できなかったケースと定義していますが、
定数不足解消対策として、もともと少人数指導やチームティーチングのために確保していた教員を再配置するなどしたほか、教頭などの管理職が担任を兼務するなど、
教育現場は混乱を来しています。文科省は、
教員不足による授業の停滞といった深刻な自体は把握していないとしていますが、全く現場を知らないのではないのかと思います。
私が現場の先生から聞いた現状は、
教員不足による弊害は以前からも続いており、コロナ禍で教育環境がさらに激変したことで、ただでさえ手いっぱいで
お忙しい教員が授業の準備や子供と接する余裕を失うなど、通常業務に支障を来し、過酷な
勤務実態により、心と体をむしばむことで休職や退職を余儀なくされる教員がますます増えるのではないかと大変危惧されておりました。
こういった過酷な
勤務実態が敬遠され、
採用試験競争率が過去最低を記録する中、
定数見直しや配置の仕方、
給与体系等を時代に合わせて抜本的に見直すなど、その環境改善が必要不可欠です。退職教諭の方や休眠教員など、経験のある
教員免許所持者などの再任用や、教師が担う仕事の中で
教員免許がなくてもできる範囲で、外部の人材の助けを借り、現職の負担を減らすことで授業をより実りのあるものにし、本来の授業研究や生徒と向き合う時間が確保できるようにお願いしたいと思いますし、現職教員の皆さんが胸を張って堂々と教職のすばらしさを口にでき、
子供たちにとってもよい環境の下、学べるようになるときが来るよう、
教育委員会の方々にもさらなる改革の断行を要望いたします。
次の質問に移らせていただきます。
民生委員・
児童委員の方々の事故と成り手不足の問題に関してお話しさせていただきます。
民生委員・
児童委員制度は、制度制定から100年余り、献身的な
ボランティアの方々によって支えられておりますが、昨年夏の長崎における
記録的豪雨時に、独り暮らしの高齢者の方の依頼で家に向かった70歳の民生・
児童委員の女性が、水害に巻き込まれて亡くなるという痛ましい事故がございました。
当時、
警戒レベル5の
緊急安全確保の中、怖いから来てほしいとの高齢者からの連絡を受け訪問、その後、近くの
用水路付近でお二人とも亡くなっているのが発見されました。
こういった悲劇を受け、
厚生労働省は
民生委員さんたちに対し、災害時には自身の安全を優先し、避難情報が出ている間、要支援者の見守りなどが必要な状況にあっても自治体に対応を任せるようにとの緊急通知を出したとのことですが、いずれにせよ、
地域住民のため強い使命感や責任感で行動された結果だと思うと本当に悲劇です。
あらかじめ関係者間でそれぞれの役割分担を明確にする必要があります。
民生委員自体の高齢化が進む中、御自身も地域の一住民であって、災害対応の専門家ではありません。各個人の使命感や責任感に甘えることで、過度の負担が生じ、結果として、その命を賭してまでも責任を負わせています。
全国民生委員児童委員連合会のガイドラインとしては、自らと家族の安全を最優先に考えること、
地域住民や地域の団体と協力し対応すること、自治体と協議して災害時の情報共有の方法をあらかじめ決めておくことなどを挙げておりますが、非常時において、地域で上手にみんなで連携し、対応し、二度とこういった悲劇を生まないようにしなければなりません。
そこで、熊本市の事故の現状と対策、利用者からの暴力暴言に対する対応、活動を補償する保険の有無、現在の定数に対しての熊本市の不足数、その対策、取組はどのようにしてくのか。また、災害など不測の事態における行政と委員の今後の連携をどのようにされていくのか、民生・
児童委員に対して期待すること、また行政の役割について、
健康福祉局長にお聞きいたします。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎
石櫃仁美 健康福祉局長 民生委員・
児童委員の御質問に順次お答えさせていただきます。
初めに、本市の
民生委員・
児童委員の活動時の事故につきましては、主に移動中の転倒によるものでございまして、令和元年度10件、令和2年度2件、令和3年度は1月末までに4件の報告を受けております。
また本市では、活動中に受ける暴力暴言による
精神的ストレスなどのリスクを未然に防ぐため、全体研修会などの機会を捉え、
安全確保等について注意喚起を行うとともに、緊急時における連絡体制についても改めて周知してまいります。
次に、活動中の負傷等につきましては、全員に御加入いただいております熊本市
ボランティア保険及び
全国民生委員児童委員連合会の活動保険から、治療費や見舞金などが支給されております。
次に、委員の不足数につきましては、令和4年1月1日現在で、定数1,466名に対し103名の欠員となっており、欠員補充のため、
民生委員児童委員協議会と連携し、推薦していただきます
自治会等への呼びかけを行いますとともに、新たな人材の発掘や若い世代の方への理解促進などの取組も進め、成り手不足の解消に努めてまいります。
次に、不測の事態における行政と委員の連携につきましては、昨年8月の長崎県での事故を受け、本市におきましても直ちに、全ての委員の皆様方に対し、御自身の安全を確保された対応を行っていただくよう、文書の発送や理事会での周知を行ったところでございます。今後も熊本市
災害情報メール等の登録勧奨を行いますとともに、日頃から
民生委員児童委員協議会と
防災担当部局等との連携を深め、委員が相談しやすい
環境づくりに努めてまいります。
最後に、委員の活動は、高齢者の方や育児・子育てに関する日常的な支援、相談など多岐にわたっており、
地域福祉の増進に重要な役割を果たしていただいていると認識いたしております。本市といたしましても、
民生委員児童委員協議会や熊本市
社会福祉協議会と連携し、今後も委員、お一人お一人の活動を支えてまいります。
〔14番
吉村健治議員 登壇〕
◆
吉村健治 議員 今、局長に熊本市の
事故発生件数などを教えていただきましたが、全国においては、自宅訪問や
相談活動中の負傷事故が2020年度までの7年間で3,200件以上発生し、
民生委員の65歳以上の割合が約70%に上る中、移動中の転倒や転落、交通事故が増加しております。2016年度時点での
民生委員の平均年齢は66.1歳で、25年前から比べると5歳以上高齢化しており、成り手不足が深刻化していることは御存知のとおりです。
定数に対し、全国で1万人が欠員で、熊本市では103名の欠員が報告されると言われていましたが、それが慢性化しております。
事故件数は、先ほど御紹介いただいた保険が実際に適応された事案数で、その保険は、
東日本大震災時に
民生委員の方々56名の方が
避難誘導活動中に不幸にも亡くなった痛ましい事故を受け創設され、
保険制度開始以降、転倒し、頭部を
ブロック塀に強打するなどの死亡事故が6件、骨折1,320件、打撲863件、捻挫407件、創傷222件、犬にかまれた事案137件などが報告され、保険請求をしなかった
事故件数も多くあることが容易に想像でき、実数はさらに多いかと思われます。
超高齢化が進む今だからこそ、
地域住民に身近で行政とのつなぎ役になる
民生委員が必要であることから、
民生委員をいかに確保していくかは、これからも大きな課題であり、なおかつ難題です。自然災害の激甚化や頻繁化によって、新たな課題が発生する中、制度設計を見直し、不幸な事故をなくすことで安心して民生・
児童委員業務が遂行できる
環境整備を強く求めます。
これまで、住民に寄り添い、住民目線に立った活動を行ってきたからこそ、住民の信頼を得ることができたのだと思います。この100年間、常に住民の身近な相談相手であり、見守り役であったこと、行政の協力者として
福祉制度を効果的に機能させるつなぎ役であったこと、時代に先駆け、その時々の
福祉課題の解決に自ら取り組んでこられたこと、それが昨今、公的な支援で対応できない日常的な支援が増加したそうです。委員の活動上、住民の
プライバシー尊重とのバランスや自治体からの
個人情報提供の不足が悩み、苦労であり、特に、災害時要
援護者支援員への取組が
民生委員さんの過度な負担につながっているそうです。
国が
地域共生社会実現を推進する中、分野を超えた包括的、
総合的支援を重視していることは理解ができますが、民生・
児童委員の方々の範疇を超える仕事量は、結果として地域力や
住民サービスの低下を招くことにつながります。
熊本市としてもこの問題に今後も力を入れていただくことを強く要望して、次の質問に移らせていただきます。
地域猫適正管理推進事業に関してお話しさせていただきます。
野良猫対策はいずれの自治会においても頭を悩ます問題ですけれども、野良猫が増える大きな要因は、無責任な猫の飼い主の方々が適切な
不妊去勢手術をせず、屋外飼育や飼育放棄をした結果です。
猫はとても繁殖力が高く、早い猫だと生後5か月程度で妊娠し、すぐに何十匹にも増えてしまうので、飼い主が飼い始めに
去勢手術等をすることが飼い主として当たり前の責任でございますけれども、今のところモラルに頼ることはかなっておりません。
そういった中で、今までと視点を変え、
地域住民と熊本市が力を合わせて、猫を適切にお世話、管理する新たな取組を始められたとのことですが、この取組に至った経緯や現在の取組、これからの事業計画を教えてください。
また、本事業に加えて、
公益財団法人どうぶつ基金が全額負担する
TNR地域集中プロジェクトに参加し、協働で
TNR事業を進めるとしていますが、その趣旨を教えてください。
健康福祉局長の答弁を求めます。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎
石櫃仁美 健康福祉局長 初めに、取組に至りました経緯につきまして、
地域猫適正管理推進事業につきましては、近年、野良猫に関する
相談件数が年々増加し、平成29年度の600件から令和2年度には1,700件に増加している状況を踏まえまして、
地域住民の皆様が猫による被害の現状を認識し、野良猫を排除するのではなく、餌やふん尿の管理、
不妊去勢手術の実施等により適切に管理することで、野良猫によるトラブルをなくすための試みとして、今年度から取り組んでいるところでございます。
取組状況でございますが、現在、2つの地域で
モデル事業として開始しておりまして、12月時点で合計40頭の
不妊去勢手術を行っております。地域が一体となって猫を管理することにより、環境美化や地域のコミュニティの活性化などの効果が見られる一方、新たな猫の流入や活動の継続性が課題となっているところでございます。
次に、今後の計画等につきましては、来年度は
地域猫活動を実施する地域を2か所増やし、支援を継続するとともに、
公益財団法人どうぶつ基金と協働にて、来年度1年かけて、市内の野良猫に
不妊去勢手術を実施し、生まれてくる子猫を減らす事業でございます
TNR地域集中プロジェクトを行うこととしております。
今後は、これら2つの事業の効果や課題を地域の御意見とともに検証し、これからの
地域猫活動への取組について検討を進めてまいりたいと考えております。
最後に、議員御案内のとおり、犬猫の殺処分ゼロの実現のためには、市民の皆様の御理解と御協力は不可欠でございます。現在活動していただいている市民の皆様に感謝申し上げますとともに、これからも
地域住民の皆様と協働で問題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。
〔14番
吉村健治議員 登壇〕
◆
吉村健治 議員 お答えいただいたように、野良猫に関する
相談件数が急増している実態を踏まえ、
地域猫活動を行う団体や個人に対し、本市として適切な指導、アドバイスが継続的にできるようになると、子供や大人の道徳心や
動物福祉の意識につながることはもちろん、
動物たちの幸せと人間の共生のために、人の感情に基づく判断だけではなく、
科学的知見を基に、
動物たちの苦痛をなるべく取り除いてあげる好循環につながる取組となります。
地域猫適正管理推進事業のような地道で客観的かつ
科学的アプローチが大切で、
地域住民の皆様の御協力の下、行政のバックアップの継続性が担保されれば、とてもよい試みだと評価いたしたいと思います。
ここで、この事業に先駆的に取り組んでいる
北部東小校区鶴の原自治会の取組を御紹介いたします。
当自治会では、市政だより令和3年2月号にこの事業が紹介されると早速、懸案事項でもあった野良猫問題の改善に向けた取組を役員で打ち合わせ、検討され、問題意識を持つ方々からの聞き取りを行った上、その2日後には回覧板にて
適正管理推進事業の紹介と町内で取り組まれるかどうかの可否を打診され、同時に、
愛護センターに相談、打合せを行い、
自治会総会にて事業開始を提案され、承認後、
補助金申請等の手続を遅滞なく行い、
地域住民に対して
地域猫活動に関する理解と適切な対応の御依頼を再び回覧板にて周知するなど、
スピード感を持って取り組まれました。
もちろん、同時並行として猫の捕獲管理で汗をかき、動物病院での
不妊去勢手術を手弁当も含め、地道に行うなどの活動を精力的にされてきております。結果、
先駆的自治会として、地元紙からの取材や北区長、他
校区自治会からの視察、来訪を受けられ、その取組や状況、方法、課題などを伝えるなど、熊本市民への啓発、啓蒙活動の大きな一助になったのはもちろんのこと、何よりも地域猫が適正化されたことで、
地域住民から大変感謝されております。
そういった中においても、自治会長の強いリーダーシップと協力的な住民の方々によって支えられている活動には、多くの課題もございます。
自治会作成の
事業状況報告書によると、今、活動は特定の協力者で行っているが、
継続的活動を行うためには、今後は、
自治会員全員で積極的に事業に関与するような
体制づくりが必要で、本事業の特性として、単年度だけで解決するものではなく、一
自治会単位では費用面での負担も大きいため、
市民リサイクル活動助成金と同様、
事業申請団体に対し、実績に応じた実費補填の補助金が支給できる
体制づくりをお願いしたい。
また、一
町内会単位のみでの活動では、地域間をまたいで生活圏とする猫たちの適正な管理は不可能とのことですので、周囲の自治会を巻き込んでの取組や
仕組みづくりを市がリードしてほしいとの御要望がございます。取組を行う自治会が属する
校区自治協議会に対して、
積極的取組を御案内していただければと思います。
いずれにせよ、当事業に関し、日々努力をされている方々に感謝申し上げます。肝は継続性です。
モデル地区の取組を精査されるとのことですが、検証の上、取り組まれる自治会が安心して今後も活動ができるよう、財政的予算づけも含めてきちんとした体制を取っていただくよう重ねてお願い申し上げ、次の質問に移ります。
今まで
一般質問で何度か取り上げさせていただきましたが、
ヤングケアラーの問題で多少進展がございましたので、その御紹介と御質問をさせていただきます。
ヤングケアラーに関して、マスメディアで、私の知る限り最初に取り上げ、問題提起を行ったのは、毎日新聞の
特別報道班の取材班でございます。
ヤングケアラー幼き介護と題する特集を継続的に行われ、このコロナ禍で取材が大変難しい状況下にもかかわらず、腰の重い厚労省や私たち市民に対し、その実態を知らしめ、警鐘を鳴らしてもらいました。
国民生活基礎調査では、子供の7人に1人が貧困状態であるという事実が公表されましたが、経済的な貧困だけではなく、それに起因して
子供たちにとって過重な日々の
連続的労働を余儀なくされていること、また、その人生をいや応なく搾取されていることが判明いたしました。
熊本県下の
ヤングケアラーに関する初の調査が昨年、中学2年生、高校2年生に対して行われ、先日公表されましたが、その調査結果について、また結果を踏まえた今後の取組について、
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎
石櫃仁美 健康福祉局長 本市も協力して実施されました熊本県の実態調査の結果によりますと、世話をしている家族がいると答えた、いわゆる
ヤングケアラーは481人で、中学生は3.3%、高校2年生は2.0%でございました。
また、自分が
ヤングケアラーであることを認識している子供は、全体で212人、1.2%でございました。
全国の調査と比較いたしますと熊本県における
ヤングケアラーの割合は低い結果ではございましたが、当事者に自覚がないケースも想定されますことから、学校や地域等、子供の近くにいる大人だけでなく、子供自身も早期に気づき、相談等の適切な支援につながる環境を整えることが必要でございます。
そこで、令和4年度から
ヤングケアラーに対する認知度の向上のため、さらなる周知、啓発を行いますとともに、
関係機関との連携を強化するため、新たに行政、学校、地域、
介護事業所等の
関係機関をつなぐ
ヤングケアラー・コーディネーターを配置いたしまして、子供が社会から孤立することのないよう、早期に発見し、寄り添った支援に取り組んでまいります。
〔14番
吉村健治議員 登壇〕
◆
吉村健治 議員 お答えいただきました数字以上に大切なことは、一人でも助けを求める子供がいたら救える体制を行政がしっかり構築するということであります。
昨年、神戸市において、こども・
若者ケアラー相談支援窓口が全国の自治体に先駆けて設けられ、18歳未満に限らず20代の
若者ケアラーも対象として含め、
社会福祉士らが対応されております。既に多くの相談が寄せられる中、当事者以外の相談が圧倒的に多いらしく、
教育関係者からの相談が多くを占めているそうでございます。
また、大阪府
教育委員会においては、支援強化のため、福祉の専門家として学校や家庭での悩みを聞き取るスクールソーシャルワーカーらに助言する指導的な役職を2022年度に新設する方針を固めたとのことです。家庭や進路など悩みを早期に把握し、本人の事情に合わせた対応に努め、これらを含めた
支援強化策として、約7,100万円を一般会計当初予算に盛り込むとのことです。
果たして、熊本市の体制は今どうなっているか。先ほどの局長答弁のとおりで、まだこれからでございます。助けてとの悲痛な叫びや声なき声を確実に拾い上げ、
子供たちが必要な情報にアクセスでき、助けを求めるすべを知ることができる
環境整備を早急につくり上げていただきたいと思います。
厳しいことを言うようですが、現状を放置することは、家族を介護する子供のことを美談で終わらせ、
子供たちが過度の重責や負担を負い、自分の家庭の特殊性を恥と感じている等の幼心に付け込んでいるに等しいと言わざるを得ません。現状が続けば、負の連鎖が続き、それが常態化します。自助のみで何とか生き延びて大人になっても、公助に頼るすべを知らず、また、それが当たり前と思い込むことで、心の病やひきこもりなど、悪い意味で深化いたします。
そもそも、子供は、親だけでなく社会全体で保護されるべきで、子供らしい日常生活が奪われ、自分の未来を思い描く余裕のない
子供たちを救うことは、大人の義務です。耐えながらも自分の時間を持てない
子供たちに対し、学習支援を行い、ペアサポートなどのケアの経験を話し合える場を設け、孤立を防ぎ、認知症や精神疾患を抱える家族をケアするケアラーも多くいることから、介護保険や福祉サービスなどに最短でつなぐことで、ケアを社会全体で担い、押しつけや独りよがりではない、本当の意味でのサポート体制が一日も早く待たれております。
調査結果を基に、県と協力して子供が担っているケアの実態の解像度を上げて、把握分析し、過去の常識にとらわれず、近代日本の家族領域に起きた大きな変化を鑑み、人口減少、少子高齢化社会の真っただ中にある日本で、ケアする人のケア、ケアする人をどう支えていくかが、とても大事だと思います。
未成年のうちは、大人と同じ責任を持たなくてもよく、親や社会に保護され、面倒を見てもらうことが当たり前の時期です。大人の価値観を気にすることなく、わがままに苦しい現状から逃げ出す権利があり、やりたくないことはやりたくないと言ってよいのです。必死で、家族のために頑張ることも大事ですが、もっと大人を頼ってほしいと思います。
その意味でも、適切なサービスにつなぐ役割の専門家である
ヤングケアラー・コーディネーターを熊本市が新年度から配置することは、まず始めの一歩として評価いたしたいと思います。市政だよりなどを通じて、広く市民に対して周知し、まずは広く知ってもらい、大人の気づきから、
子供たちが貴重な時間を有効に、普通に使えるような
体制づくりを重ねて求めたいと思います。
次の質問に移らせていただきます。
内密出産について、2022年度から新聞紙上でよく取り上げられておりますが、そのことに関して御質問させていただきます。
西区の慈恵病院が2019年より独自に取り組む、いわゆる内密出産で、昨年生まれた子供について大西市長は「戸籍がないことで、子供に不利益がないよう最優先で考えなければならない。速やかに対応する必要がある」と語り、また、慈恵病院が親の欄を空欄のまま、出生届を出すことが法律的に抵触するかどうかとの慈恵病院からの法務局への質問状に対し、出生届の提出によらずとも市区町村長の職権により戸籍の記載ができると回答したことを受け、市長職権をもって戸籍を作成する旨、発言されました。
いわゆる内密出産が法制化されていないことを理由に、母子の未来が危険にさらされるとしたら本末転倒であることから考えると、内密出産の是非はさておき、子供の安全な出生と保護という観点からは、今までの国や熊本市の姿勢、その経緯を考えれば、様々な問題解決の第一歩として大変よかったと思います。
ただし、今回の大西市長の英断は、法制化なしには今後大きなハードルが待ち構えております。総理の発言からも分かるように、原則論に終始する国に対し、いかに内密出産に関する理解を深めさせるのか、また、知られたくない、自分では育てられない、行政に相談したくないとする、既存の社会システムやセーフティーネットではこぼれ落ちてしまいそうな状態にある母親に起きる様々な問題や事件、それを一つでも減らしたいと願いを持って取り組む慈恵病院を孤立させないように、いかに速やかに法的根拠を示し、普遍性を持たせるのかお尋ね申し上げます。
まず、現行法において、母親の匿名性、子供の処遇や出生時情報の取扱い、その情報管理など、保護の在り方について、また、内密出産の背景には、予期せぬ妊娠や若年妊娠、家庭環境や関係性の問題等、女性が一人で抱え込み、周りから孤立する妊婦の姿がありますが、今回の事例等を踏まえ、現行法における取扱いについてお尋ね申し上げます。
内密出産に関する法整備について、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 予期せぬ妊娠で悩む妊婦への支援については、母子の命を守ることが最優先であり、匿名での相談や産前産後の母子の居場所の確保などの支援について、広く周知し、女性が抱える課題解決のために、早い段階で相談支援につなげ、孤立を防ぐことが重要であると考えております。
次に、内密出産における子供の処遇については、児童福祉法に基づき、子供の最善の利益を図ることを念頭に、乳児院や里親への委託など、児童相談所が措置を行うことになりますが、子供の出自に関する情報の管理、開示の方法、時期等の適切な取扱いなどについて課題を整理する必要がございます。
先般、国会においても、慈恵病院が行った内密出産は、現行法でも対応が可能であり、法整備については課題を一つ一つ乗り越えながら慎重に議論を深める必要があるとの認識が示されました。本市といたしましては、現在、慈恵病院と協議しながら、課題の整理を行っており、今後、国に課題への対応について助言を求めてまいります。
また、内密出産において、予期せぬ妊娠で悩む人々の救済と生まれてくる子供の権利の両立を図るためには、社会的合意に基づき、国の責任において法整備がなされることが必要であり、引き続き、法整備を国に要望するとともに、議員立法も含め、働きかけを行ってまいります。
〔14番
吉村健治議員 登壇〕
◆
吉村健治 議員
厚生労働省の社会保障審議会児童部会の専門部会報告書では、2019年度に把握した児童虐待の犠牲者57人のうち、28人がゼロ歳児であり、出産当日の死亡が9人、1か月以内が2人、望まない妊娠をした女性をどう社会がケアしていくかが悲劇を防ぐとりでです。市長が新聞社の取材に対し、「どんどん内密出産を進めようということではない。子供を育てられない女性の課題解決には、行政が関わらないと無理な部分がかなりある。女性を孤立させない体制を病院と一緒につくっていくことが重要で、病院との協議を進め、徐々に輪を広げて、全国の関係者とともに制度をつくっていきたい。一自治体、一病院だけの話に終わらせてはいけない」。この一連の市長の御意見には大いに賛同するところでございます。
議論を活発化させ、予期せぬ妊娠や孤立出産の様々な問題を日本人全体で、我がこととして捉え、考え、共感していく土壌をつくり、経済的困難や若年などの理由で子育てに困難を抱える可能性のある特定妊婦など、様々な産前産後母子支援をめぐる難問に取り組み、対応していただきたいと思います。
法制化は必然です。現状では、将来、首長が変わればその都度、その判断を仰ぐ形になりかねません。救われる母子が救われない可能性が残されます。国を動かすのは国会議員ではなく、現場を預かり、実情を知る地方自治体の長だと思います。
先月25日の衆議院予算委員会において、参考人として出席された慈恵病院の蓮田院長は、内密出産初事例について詳細な経過を報告された上で、悲惨な現実を何とか阻止しなければならない、軽度の発達障がいや知的障がいのある方が内密出産になりがちな事例もあり心配していると訴えましたが、総理は慎重に議論を進める必要があると述べ、法制化に向けては後ろ向きとも取れる発言をされております。
もちろん、この問題に関しては、市長答弁のとおり様々な課題があり、一つ一つ丁寧な議論が必要ですが、これからも大西市長がリーダーシップを取り、命とその尊厳を守る問題について、世論と社会的合意形成を醸成し、法制化を早期に実現されるための国への取組を粘り強く行っていただくよう要望し、次の質問に移ります。
最後の質問をさせていただきます。
平和首長会議についてと題を書いておりますが、昨今のウクライナ問題も含めて御質問させていただきます。
核兵器禁止条約の発行から1月で1年を迎えましたが、新型コロナウイルス感染症等の影響等で、今年行われる予定であった核拡散防止条約再検討会議や核兵器禁止条約締約国会議などが相次いで延期に追い込まれたことは非常に残念ですが、国境を超え、多くの平和を愛する若者が声を上げ、熊本市においても高校生平和大使の皆さん方などが地道に活動されていることはすばらしく、誇らしいことであります。
それに加えて、コロナ禍による休業や時短が、シフト制で働く学生アルバイトを直撃して、多くの学生が食事に事欠くような困窮状態に今突き落とされております。文科省の調査によると、2021年4月〜8月にコロナ禍を理由に大学や短大を中退した学生が701人、前年同期の1.8倍に、コロナ禍を理由に休学した人は4,418人、前年同期比で1.6倍に拡大しています。学生への支援が今ほど求められているときはありません。
新年度予算において、高校進学者に対する入学準備金1人当たり4万円の支給が提案されています。経済的に困窮している世帯への進学支援については、大いに賛同し、評価できるものです。しかし奨学金返済については、奨学金を借りている学生の65%が、将来返済に大いに不安、多少不安と回答しています。
現在、政令市の中で、給付型奨学金制度を実施している都市は12市あります。対象者数や奨学金の金額などは様々ですので単純に比較はできないものの、入学準備金のみならず毎月の奨学金が支給されている自治体、また大学生を対象にしている自治体もあります。
そこでお尋ねいたしますけれども、給付型奨学金については、入学準備金に加え、在学中の継続的な支援を行うこと、そして、大学生も対象にすることなど拡充が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
次に、市長の公約55番目に、がん検診を完全無料化し、受診率の向上を図る等予防医療を積極的に推進しますと掲げられております。こうした公約の下、2019年度より70歳以上のがん検診は無料となり、無料化前の2018年に2万6,526人であった検診受診者は、無料となった2019年には3万1,755人と2割も受診が増えている状況です。70歳以上の無料化により検診受診率は改善していることがはっきりと示されております。全ての年齢を対象にがん検診の完全無料化を実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。大西市長の答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今回、御提案しております高校等進学支援金制度は、生活保護受給世帯や住民税非課税世帯で高校等への進学予定者に、入学時に必要な費用の一部としていただくことを目的として、1人4万円を支給する制度としております。支給額については、市立高校では入学時に全員が購入する学用品等の費用が約4万円であることを参考としております。
また、就学援助の支給は中学校卒業で終了する一方、生活困窮世帯の多くが給付を受けている熊本県奨学のための給付金は、入学後、支給までに半年程度かかります。そのため、支援が一番必要とされます入学前の時期に支給できるよう、対象を高校等への進学予定者としたものでございます。
この高校等進学支援金制度を円滑に実施し、未来の熊本市の中核を担う人材の育成に取り組みますとともに、一人一人の可能性をさらに広げ、それぞれの夢の実現につながるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、がん検診の無料化についてでございますが、本市では、冬期における大腸がん郵送検診や個別受診勧奨の拡充、胃内視鏡検査の導入など、様々な取組を進めておりまして、受診率はおおむね向上し、特に、乳がん、子宮頸がん検診においては、取組開始前よりも高い水準まで改善しております。
しかしながら、令和2年度は、肺がん、大腸がん検診の受診率は低下し、特に肺がん検診の受診者は約2割減少しているところであり、これは、新型コロナウイルスの感染拡大による受診控え等の影響を受けたものと考えております。
このため、令和4年度は、コロナ禍においても市民の皆様が安心して受診できる
環境整備の一環として、これまで地域を検診車が巡回する集団健診のみで行ってきた肺がん検診に、新たに、身近なかかりつけ医での個別検診を導入するための予算を計上しているところです。がん検診の無料化については、既に令和元年度から70歳以上の方を対象に開始したところであり、その後の受診率やがんの発見率の推移等、効果を検証するとともに、他の世代の方の検診ニーズ等の把握に努め、検討してまいりたいと考えております。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 給付型奨学金について、市独自に提案されたことは大いに評価します。
しかし、指摘したように、在学中の継続的な給付や大学生への拡大などにも今後取り組んでいただきたいと思います。財源についても、取組に賛同する個人や企業、財団などからの寄附で確保している自治体もあります。参考にしながら、給付型奨学金の拡充をお願いしたいと思います。
がん検診の完全無料化については、他の世代の検診ニーズ等に努めるとの答弁で、実施についての答弁ではありませんでした。検診ニーズについては、既に市が調査を行っております。がん検診を受診しない理由として、最も多いのがいつでも医療機関を受診できるからが29.2%、時間が取れないからが25.8%、そして費用がかかるからと答えた方も23.3%いらっしゃいます。
このがん検診完全無料化は、市長の公約であります。自ら掲げた公約実現に白旗を上げるのではなくて、せめて任期ぎりぎりまで実現を追求していただきたいと強く要望を申し上げます。
次に、公民館の生涯学習についてお尋ねいたします。
熊本市は、昨年、公設公民館で行っている自主講座とサークル、同好会の運用見直しを提案いたしました。自主講座は、公民館で開設希望者を募り、実施しているものであります。公民館の部屋を年間で確保し、開設基準に沿った運営が行われています。こうした中で、現在、自主講座、サークル・同好会に分かれている学習活動を生涯学習サークルとして、一まとまりにまとめて、全ての団体が4か月前から部屋の予約をするとの運用見直しが提案されています。
これまで、利用者に向けた説明会が行われてきましたが、自主講座を継続してほしいという意見や、学習機会の確保、講師との連携調整の見通しが立たなくなるとの意見、そして十分な議論や説明もなく拙速であるとの意見が出されて、市は令和4年度を移行期間とし、令和5年度から運用変更を行おうとしています。
改めて、公民館で行われる生涯学習については、社会教育法第3条で、社会教育における自治体の任務について、全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して文化的教養を高め得る環境を醸成するように努めなければならないと規定されております。これまで、自主講座が公民館の部屋を年間で確保してきた背景には、講師の確保であったり、受講生の参加の確保であったり、継続的な学習期間の確保であったり、法律の目的に沿った活動を保障するために行われてきたことであります。拙速な議論で運用見直しを図れば、自主講座の開催そのものが困難となり、生涯学習の裾野を広げるどころか、狭める可能性も否定できません。
私は、市内のある公設公民館の今年度の自主講座の使用状況について、住民の方から伺いました。A、B、Cの教室の利用については、午前中で2割〜3割、午後は1割〜3割の使用率であり、夜間の利用はありません。ホールの利用も午前、午後で5割弱、夜間は利用なしとなっています。また、自主講座の多くは、平日の午前、午後に開かれており、土日の利用は7%ほどしかありません。全ての市民へ社会教育の機会が提供されなければならないことは言うまでもありません。
サークル、同好会等の活動についても日程の調整等を丁寧に進めていくこと、自主講座の講座として位置づけ、同様の活動の場を保障、確保していくことなど、これまでの仕組みを維持して、生涯学習の裾野を広げることは可能であると考えます。
そこでお尋ねいたしますけれども、今回の公設公民館の運用見直しについては撤回して、利用者の声を丁寧に聞くとともに、自主講座の活動をしっかりと保障しながら課題を解決するという姿勢が必要だと思いますが、いかがでしょうか。文化市民局長にお尋ねいたします。
〔横田健一文化市民局長 登壇〕
◎横田健一 文化市民局長 公設公民館につきましては、生涯学習機能の向上を図るとともに学びと活動の循環による地域課題の解決や担い手づくりを推進するまちづくりの推進拠点として位置づけ、誰もが積極的に活用できる新しい公民館を目指し、利用者アンケートなどを通じて市民や利用者の声を聞き、課題を整理した上で、現在、見直しを進めているところでございます。
御質問の自主講座につきましては、これまで、生涯学習の裾野を広げることを目的として、新規の方を優先することを前提に、開設期間を1年間に限定して、公民館の部屋の確保などの支援を行ってまいりました。
しかし、現状としては、利用者数、利用件数ともに年々減少しており、その利用者につきましても、新規の方は少なく、経験者が多数を占めている現状であり、生涯学習の裾野を広げるという本来の目的に沿わなくなっていることから、見直す必要があると考えているところでございます。
この見直しの趣旨については、各公設公民館などで説明会を開催するなど、これまでも御意見を聞く機会を設けてきたところでありますが、コロナ禍の影響もあり、利用者に十分に伝わっていないところもあると認識いたしております。
そのため、公民館版市長とドンドン語ろうの開催など、今後も利用者の皆様の御意見を聞きながら、自主講座の見直しの趣旨も踏まえつつ検討を進め、公民館利用者の皆様に納得いただけるよう、より丁寧な説明を行ってまいります。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 この課題については、行政の方針を上から押しつけるということは絶対に行わないようにしてほしいと思います。最後の答弁であったように、公民館利用者の皆様が納得いくよう解決を図っていくという答弁でありましたので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、公民館の利用者や利用件数が減少しているとの答弁がありました。公民館の利活用状況を見てみると、夜間の利用、そして土日の利用が非常に低い状況です。生涯学習は高齢者のみが行うものではありませんので、働いている現役世代や学生などへの働きかけやきっかけづくりを行うなど、裾野を広げる取組を進めていただきますようにお願いし、次の質問に移ります。
次は、国民健康保険料について。今回は特に、収入のない子供にかかる均等割の減免制度についてお尋ねいたします。
これまで何度も取り上げてきましたけれども、国民健康保険における1人当たりにかかる均等割は4万4,700円と負担が重く、収入や所得に関係なく課せられる人頭税のようなものであり、特に収入のない子供を持つ家庭にとっては、保険料の負担を重くしている大きな原因となっています。私がこれまで、18歳までの子供にかかる均等割の3割減免を行っている仙台市、そして全額免除としている熊本県の芦北町の例などを示してきましたが、本市の取組は改善してきませんでした。
こうした中で、国は、来年度より就学前の子供の均等割の半分を減免する予算措置を行いました。均等割の課題や問題点を国自身も認めたこと、そして、市としても国に要望を上げていただいたことが、こうした結果につながったのだと思います。
しかし、なぜ区切りが就学前となっているのか、私自身は理解に苦しんでいます。子供が小学生になれば、世帯の所得が自動的に増えるわけではありません。私は、国の減免に加えて、小学生〜18歳までの均等割減免について、市が取り組むべきだと考えますが、そこでお尋ねいたします。
小学生〜18歳までの均等割の半額を減免するために必要な予算は幾らになるでしょうか。収入のない子供にかかる均等割の負担を軽減するためにも、小学生〜18歳までの均等割の減免制度を市として実施するべきではないでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 小学生〜18歳までの均等割保険料を半額減免するためには、毎年度約2億5,000万円の財源が必要となります。これは経営基盤が脆弱な国民健康保険会計にとり、多大な負担となることから、実施は困難でございます。
これまで本市では、全国市長会等において、子育て世帯のさらなる負担軽減の観点から、対象となる年齢の拡大や軽減割合の引上げ等、制度の拡充を図ることを継続的に要望しており、今後とも国に対し強く要望してまいりたいと考えております。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 今、実施が困難で、理由は国保会計の経済基盤が脆弱であるからとの答弁でありましたけれども、ここで、やはり引き下がるわけにはまいりません。
経営基盤が脆弱な国保会計と答弁がありましたので、改めて
健康福祉局長にお尋ねいたしますけれども、現在の国保会計の累積収支はどのようになっているでしょうか。
また、国保会計の赤字補填を目的とした一般会計繰入れについては、行わないようにと国からの指導があると思います。しかし、今回の子供の均等割の減免について、地方自治体が拡充を行うために、国保会計へ繰入れを行うことについて、国はどのような見解を持っているのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎
石櫃仁美 健康福祉局長 令和2年度の国民健康保険会計決算額は3億9,000万円の黒字であり、累積収支としては27年ぶりの黒字となったところでございます。しかしながら、高齢化が今後さらに進展する中で、国保財政は予断を許さない状況が続くものと考えております。
なお、子供の均等割減免のための法定外一般会計の繰入れの実施につきましては、国からの見解は示されておりません。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 今、局長から、国保会計は3億9,000万円の黒字ということで、長年課題であった累積赤字の解消が図られました。そして、一般会計からの繰入れについても、国は特に見解を示していない、つまりは、赤字を減らすための繰入れについては行ってはいけないという見解を国は持っていますけれども、減免制度の拡充については、一般会計からの支援ができるということだと思います。
熊本市の国保の均等割は、ほかの医療制度にはない特別な制度です。例えば、双子が生まれれば、9万円、収入は増えないのに一気に保険料は上がる。三つ子が生まれれば、15万円ぐらい一気に保険料は上がる。こういう多子世帯、収入のない子供を持つ世帯が非常にこの国保料に苦しんでいます。
冒頭述べたように、こうした社会保障に関わる負担の軽減を少しでも市として進めていただきたい。必要な財源は2億5,000万円ということでありました。億単位の支援が、コロナ禍で収入が減った桜町のホールには、赤字補填という形で支援されているような状況もあります。こうした家庭への18歳までの子供の均等割の減免について、例えば、負担割合であったり、年齢の区切りをどこにするか、それぞれ細かな設定はあると思いますけれども、ぜひ前向きに検討していただけないでしょうか。大西市長に再度答弁をお願いしたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 繰り返しになりますけれども、小学生以上18歳以下の子供の均等割減免措置の実施は、経営基盤が脆弱な国民健康保険会計にとり、多大な負担となりますことから、実施は困難であると考えております。
ただ、対象となる年齢の拡大、あるいは軽減割合の引上げ等、制度の充実を図ることを継続的に国に対して要望してまいりたいと考えております。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 同じ答弁でありましたけれども、国に対しての要望は引き続き取り組んでいただきたいと思いますけれども、市がどれだけこうした苦しみに心を寄せるかということが問われているということを改めて申し上げておきたいと思います。
最後に、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。
現在熊本市は、都市圏18市町村において、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げて、取組を進めています。本市において、まずは行政自身がこうした取組の先頭に立って、市民協働の取組、民間との連携も含めた取組につなげていく必要があると思います。
そこで、お尋ねいたします。まず、公共施設、学校等も含めて、こうした公共施設への太陽光や蓄電池の設置など、再生可能エネルギーの確保とともに高効率、省エネルギー設備の推進を進めて、熊本市として、市が消費する電力は再生エネルギーで100%賄う、このことを年次目標を立てて実現するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
2点目は、どのように低炭素社会を実現していくかについては、地域の地形や都市構造などによって変わってくるものであります。熊本市として、住民参加で取り組むことができ、雇用創出効果が高い取組が太陽光など、再生エネルギー機器の普及、ZEHなど、高断熱建築の普及だと考えます。
しかしながら、本年度の取組を見てみますと、4月に熊本市の省エネルギー機器等導入推進事業補助金について、ホームページでお知らせがあった後、僅か2か月後、6月には太陽光発電設備の補助金受付の終了、そして同じ2か月後、6月には蓄電池の補助金受付終了、その他、省エネ家電、ZEH、エネファームなどに対する取組も年内、年末を待たずに申込みが上限に達して受付が終了となっております。こうした省エネ機器や住宅、再生エネルギー機器の普及に対する予算を抜本的に拡充し、普及を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、熊本市版市民会議の取組についてお尋ねいたします。
2015年にパリ協定が結ばれて、急速に世界で脱炭素社会に向けた取組が進められております。特にヨーロッパでは、政府や政治家、専門家、民間NGOといった、これまでのメインの政策プレイヤーだけではなくて、市民を巻き込んだ取組、気候市民会議が広がっており、中でもフランスでは、全国から無作為に抽出された150人が、2019年10月〜2020年6月の7回の週末に議論を重ねて、短距離航空便の廃止や熱効率の悪い住宅の賃貸禁止、環境の大量破壊エコサイドの罰則化など、6つのテーマにまたがって、149の提言を大統領に提出し、2021年から議会で審議が進められています。
日本においても、こうした取組が進められており、政令指定都市でいえば、札幌市の気候市民会議さっぽろ、川崎市の脱炭素かわさき市民会議において、市民を巻き込んだ議論が行われ、行政に対して提言を提出しています。川崎市の脱炭素かわさき市民会議の取組では、無作為に選ばれた3,000人余りの市内の有権者に会議参加を呼びかけた後、手を挙げた市民の中から男女比、年齢構成、住所区等の調整を経て、75名の市民から成る脱炭素かわさき市民会議が立ち上がりました。
会議は2021年5月〜10月まで計6回、毎回4時間にわたって議論がなされています。専門家からのレクチャーやアドバイスに支えられながら、討議を積み重ねてきた結果を集約し、「脱炭素かわさき市民会議からの提案 2050年脱炭素かわさきの実現に向けて」と題して、提言を発表しております。同様の取組が札幌市でも行われている状況です。
熊本市においても、川崎市や札幌市で行っている脱炭素市民会議の取組を進められるように支援を行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか。市長にお尋ね申し上げます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 地球温暖化対策の推進に関する法律においては、2050年までの脱炭素社会の実現が基本理念として位置づけられており、その実現に向け、あらゆる主体が再生可能エネルギーの導入等に積極的に取り組む必要がある中、特に地方自治体は、率先的に行動することが重要であります。
そこで、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画においては、重点取組の一つとして、公共施設における率先した省エネ・蓄エネ・再エネの推進を掲げており、本年度はその具体化に向けた調査を行ったところです。
本市では、現在、市有施設において、太陽光発電設備や大型蓄電池の設置、照明のLED化などを行っているところであり、今後もこれらの取組をさらに推進するとともに、本年度行いました調査結果も踏まえ、電力使用に伴う温室効果ガス排出ゼロの早期達成を目指してまいります。
次に、省エネ機器等の普及についてでございますが、本市が行っている省エネルギー機器等の導入に係る補助については、より多くの皆様が活用できるよう、これまでも対象機器や金額の見直しを行い、各年度の合計補助件数を増やしてきたところでございますが、今後も省エネルギー機器等の普及に向けて、適宜見直しを行ってまいります。
最後に、脱炭素市民会議についてですが、地球温暖化対策の推進に当たっては、住民や事業者の皆様など、幅広い主体に積極的に御参加いただくことが重要です。そこで、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画の進行管理に当たっては、学識経験者や事業者、住民、行政による協議会を設置し、様々な立場から御意見をいただくこととしておりますほか、昨年11月には、住民や事業者の皆様を対象としたシンポジウムを開催したところです。
今後も、住民や事業者の皆様の御意見を伺うための機会の創出を図るとともに、地球温暖化対策に関する分かりやすい情報発信に努めてまいります。
〔36番 那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 御答弁いただき、ありがとうございました。
3番目の脱炭素市民会議の取組については、今、事業者や市民、行政の各委員による協議会を設置して様々な立場から意見を聞くというような答弁がありました。この市民を巻き込んだ脱炭素の市民会議の特徴は、なかなか行政の立場から言えなかったり、議会でもいろいろな立場の議員がいますけれども、なかなか議会から本音の意見が言えなかったり、事業者からも本音の意見が言えなかったりする中で、市民の屈託ない意見を様々な取組の賛成派、反対派も含めて、議論を行いながら今何が必要なのかをまとめていくという、大切な取組が行われていますので、こうした市民の行動などが起こった際には、ぜひ援助をお願いしたいと思います。
地球温暖化問題については、2030年までの取組いかんにかかっていると思います。ある程度、温暖化が進んだ後、慌てて引き返そうとしても、もう後戻りができない、それが温暖化の最も怖いところであり、今、2030年までに早急な取組が求められています。連携中枢都市の脱炭素の削減目標の引上げはもちろんですけれども、市民を巻き込んだ議論など、でき得る対策を行っていただくようにお願い申し上げます。
以上で
一般質問を終えたいと思います。御清聴いただきました全ての皆様に感謝を述べ、
一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○
原口亮志 議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午後 0時10分 休憩
───────────
午後 2時00分 再開
○
原口亮志 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○
原口亮志 議長
一般質問を続行いたします。
平江透議員の発言を許します。平江透議員。
〔9番 平江透議員 登壇 拍手〕
◆平江透 議員 皆様こんにちは。熊本自由民主党市議団の平江透でございます。
本日は先輩議員、同僚議員の皆様からこのような質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。早速通告に従いまして質問に入らせていただきます。
初めに、中学校における武道教育についてお尋ねいたします。
私が中学生の頃、昭和40年〜50年代になりますが、当時は武道という名称ではなく、格技という名称で運動場の隅地にありました土俵で、相撲の授業が行われていたことを覚えております。そのとき指導された先生は体操競技を専門にされた方で、部活動では体操部の顧問をされておりました。格技という名称が武道に変更されたのは、平成元年に告示された
学習指導要領によると伺っております。
平成18年の教育基本法の改正では、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことが教育目標の一つとして示されました。また、平成19年に改正された学校教育法では、我が国と郷土の現状と歴史について正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことと定められ、グローバル化が進む国際社会の中で、日本の伝統文化を尊重した教育が求められるようになりました。
このような背景の下で伝統や文化を継承、発展させるための教育を具現化するため、平成20年の中央教育審議会答申で中学校での保健体育科における武道について、その学習を通じて、我が国固有の伝統と文化により一層触れることができるよう、指導の在り方を改善するとの基本方針が示されました。これを受けた同年の中学校の
学習指導要領で、全ての生徒に履修させることが求められるようになりました。同時に指導内容にも伝統的な行動の仕方、伝統的な考え方などが示され、武道を通じた伝統教育への志向が明確になりました。
今述べました経緯の下、平成24年には中学校教育において武道の必修化が始まりました。中学校教育において武道が必修化されまして10年となりますが、本市における武道教育の現状についてお尋ねいたします。
まず、武道には柔道、剣道、相撲などいろいろな種目がありますが、本市の中学校における授業ではどの種目を実施されているのか、種目ごとの実施状況をお尋ねいたします。
次に、授業環境についてお尋ねいたします。
授業の実施場所は安全面からも極めて重要であります。本市全ての中学校の中で何校が武道場を有しているのか。また、武道場を有していない学校についてはどこで授業を行っているのか。例えば体育館を使用している、教室を使用している、ほかの学校や地域の施設を使用しているなどの、授業環境の現状をお尋ねいたします。
続きまして、武道の指導体制についてお尋ねいたします。
武道の授業を指導される先生方は武道の経験のある方、経験のない方がおられると思いますが、武道を指導する上で十分な指導力を備えているのか。また、全ての中学校において指導者の配置など、指導体制は確保できているのか。
以上、教育長にお尋ねいたします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 中学校における武道教育について3点お答えいたします。
1点目の種目の実施状況ですが、今年度における武道の実施校数は特別支援学校、分校を含めた市立中学校44校中、柔道が17校、剣道が26校、相撲が1校、空手道が1校であり、うち1校は柔道と剣道の2種目を行っております。
次に授業環境ですが、武道場を有している中学校は21校です。武道場を有していない中学校23校は、体育館で授業を実施しております。そのうち1校は体育館が建設中であるため、運動場で剣道を実施しております。
3点目に指導体制ですが、柔道を実施している17校中13校、剣道を実施している26校中14校において、有段者や審判免許を持つ教員が指導を行っております。専門的な武道経験が少ない教員もいることから、全ての中学校から参加する実技講習会や指導主事等による訪問支援を行っております。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 今、教育長から種目ごとの実施状況、授業環境、指導体制について御答弁いただきました。
武道は、礼に始まり礼に終わると言われるように礼法を重視しております。私も武道の一つである柔道の経験があり、地元で長年にわたって
子供たちに柔道を指導しております。令和元年のNHK大河ドラマいだてんにも登場しておられた嘉納治五郎氏が柔道の創始者であり、関係者の尽力により昭和39年の東京オリンピックから柔道は正式競技となりました。
今や柔道は世界中に広まっており、日本の柔道人口が16万人に対して、令和元年、本市から市長、議長はじめ視察のため訪問されたフランスの柔道人口は56万人と、日本の約4倍という多くのフランス人が柔道を学んでおります。学んでいる人の中の75%が10代の
子供たちで、フランス柔道連盟は道徳的、教育的指導を重視していると伺っております。このように海外に普及しておりますが、技の名称やルールでは、始め、一本、礼、それまで、というように日本語がそのまま使われているものが多くあります。
ここでまた質問させていただきます。
武道の必修化から10年となりますが、武道を通した教育効果についてどのように捉えておられるのかお尋ねいたします。
最後に、授業中のけが、事故の状況等についてお尋ねいたします。
武道は対人競技であり、相手との攻撃、防御を通じて心と体を鍛錬する特性がございます。しかし、一方ではけがも心配され、授業中の事故も発生していると伺っております。そこで、武道の授業における事故の状況とその安全対策について、本市ではどのように取り組んでおられるのか。
以上2点、教育長にお尋ねいたします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 武道について引き続き2点お答えいたします。
1点目の教育効果です。
武道は技を身につけ、相手と攻防する楽しさを味わい、相手を尊重する礼の考え方を学習することで人間形成につながるものです。また、武道という我が国固有の伝統文化に触れることで、そのよさに気づくことができると考えております。
武道が必修化され10年になりますが、実際、学校においては武道を学んだ後、日本の伝統文化に興味を持ったり、学んだ礼節を生活の中に生かしたりする姿が見られております。
次に、事故の状況と安全対策です。
最近5年間においては授業中のけが、事故等として3件の報告を受けております。これらは柔道における足首の捻挫、足が偶然目に当たったことによる目の負傷、押し相撲で倒された際に上に乗られたことによる鎖骨の骨折となっております。
今後も安全に武道教育を行えるよう、全ての中学校から参加する実技講習会を実施し、学校への指導に努めてまいります。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 私が最も心配していましたのは、投げられたりして受け身が不十分なために脳振盪を起こしたり、首や背骨の骨折等のけがでありました。最近5年間においては足首の捻挫、目の負傷、鎖骨骨折の3件と答弁いただき、予想していたよりも少ない件数でありました。また、10年間の授業の取組により日本の伝統文化に興味を持ったり、礼節などの教育効果はあったという答弁をいただきましたが、身についたものが中学校卒業以降でも生かされるような教育を続けていただきたいと存じます。
続きまして、改正民法に伴う成人式等についてお尋ねいたします。
まず、成人式の在り方について。
本年1月10日の成人の日には、本市では熊本城ホールにおいて成人式が挙行され7,370人の方が新成人になられました。改めてお喜び申し上げます。さて、その成人の年齢についてですが、平成30年6月13日付、民法の
成年年齢を二十歳から18歳に下げられることなどの内容を改正する、民法の一部を改正する法律が成立いたしました。明治29年、1896年に民法が制定されて、第4条に年齢二十歳をもって成年とすると定められてきましたが、これは明治9年の太政官布告を引き継いだものと言われております。よって明治9年の太政官布告以来146年ぶりの年齢の引下げとなり、令和4年4月1日から施行となります。
今回の法改正により、来月4月1日の時点で18歳以上二十歳未満の方はその日に成人に達することになりますが、本市としては来年の成人式、また、再来年以降の成人式については、どの年齢を対象に開催されるお考えなのか市長にお尋ねいたします。あわせて、その根拠をお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 令和元年に実施いたしました市民アンケートで20歳の開催希望が一番多かったこと、また、18歳の方の多くが高校生であり、進学や就職を決定する大切な時期に当たることなどを踏まえ、来年以降についても20歳の皆さんを対象に式典を継続することとしております。
成年年齢は18歳に引き下げられますが、20歳という年齢が人生の重要な節目の一つであることに変わりはなく、大人としての責任や義務について改めて自覚し、本市の次の世代の担い手としてそれぞれの個性や能力を大いに発揮し、よき社会の一員となれるよう門出を祝す意味を込めて、式典を開催したいと考えております。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 来月4月1日に18歳、19歳の方は全て成人となられますが、成人式は現行どおり二十歳になってからという答弁をいただきました。どうぞ傍聴の皆様も、インターネット中継を御覧の皆様も御認識いただきたいと存じます。
続きまして、
成年年齢18歳の自覚についてお尋ねいたします。
民法改正により
成年年齢が18歳になりますと、18歳に達した人は親権者の同意を得ずに様々な契約をすることができるようになります。例えば分割で自動車を購入したり、アパートやマンションの賃貸借契約や、クレジットによる契約などができるようになります。現行法では、未成年者が親権者の同意を得ないで契約した場合には、原則として契約を取り消すことができるとされています。この取消権は未成年者を保護するためのものであり、未成年者の消費者被害を抑止する役割がありましたが、
成年年齢を18歳に引き下げた場合、悪質な商取引などによる消費者被害の拡大等を懸念いたしております。
今回の法改正によりこれまで未成年とされた18歳、19歳の若者たちに成人として各方面において活躍が期待される一方、
成年年齢が二十歳から18歳に下がることで大人としての意識、自覚をどのように持たせるかということをはじめ、様々な課題も生じると存じます。このことにつきまして文化市民局長の御所見を伺います。
〔横田健一文化市民局長 登壇〕
◎横田健一 文化市民局長
成年年齢18歳の自覚についてお答えいたします。
熊本市消費者センターで受けました消費生活相談のうち、10代や20代からの
相談件数はここ数年増加傾向が見られ、
成年年齢の引下げに伴いさらに増加することが懸念されているところでございます。
このようなことから、本市では若者への消費者教育が重要であると考え、中学3年生や高校生を対象に資料の配付や出前講座を開催し、若者が被害に遭いやすい
消費者トラブルに対する注意喚起を促すほか、市内の高校生を対象に消費者問題をテーマとしたポスターコンテストを実施し、消費者問題に対する意識の高揚に努めているところでございます。
また、
教育委員会においては小中学校及び高等学校の社会科や家庭科等の教育の授業において、納税、選挙、金銭管理などの学習が発達段階に応じて行われており、加えまして、市立高等学校では消費者教育に関する特別授業や模擬投票を行うなど、学習の充実が図られております。
さらに、令和4年度からは消費者センターに消費者教育コーディネーターを配置することで、センターと学校との連携を深め、消費者教育の実施に関する相談や意見聴取を行うなど、より効果的な消費者教育の推進を図り、若者に対し成人が負うべき責任などの自覚を促していきたいと考えております。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 消費に関する御答弁をいただきました。
私は婚姻の年齢についても懸念いたしております。現行法第731条では、男子18歳、女子16歳にならなければ婚姻することができない、第737条では未成年の子が婚姻するには父母の同意を得なければならないとありますが、民法改正により
成年年齢が18歳になりますと、親権者の同意なくして結婚することが可能となります。
しかし、18歳の年齢者の多くは高校生などの割合が多く、その割合は95%以上と伺っておりますが、高校生の時期に親権者の同意なくして結婚ができるとなった場合、様々な問題が出てくるのではないかという懸念であります。つきましては婚姻問題についても消費問題と併せて機会をつくり、純真な若者たちが後になって後悔することがないよう、しっかりとした自覚を持たせていただきたいと存じます。
次の質問に入らせていただきます。
振り込め詐欺等に対する本市の対応についてお尋ねいたします。
振り込め詐欺は、平成16年11月までオレオレ詐欺と呼ばれておりましたが、手口が多様化して、なりすまし詐欺、架空請求詐欺、融資保証詐欺、還付金詐欺などが発生するようになり、オレオレ詐欺という名称は実態が合わなくなったため、平成16年12月に警察庁は振り込め詐欺と名称を統一しております。
その4つの詐欺の一つであります、なりすまし詐欺とはもともとのオレオレ詐欺でありまして、手当たり次第に電話をかけたり、電話帳に掲載している独り暮らしの高齢者と推定する人を選んで電話をかけ、電話口に出たのが高齢者と見るや単にオレオレと名乗り、遠隔地に住む子や孫であると錯覚させ、その上で悲哀と緊迫に満ちた声で困窮に陥っていること、例えば悪徳金融業者から大金を借り、すぐに返さないとひどい目に遭わされる。また、交通事故や医療事故を起こし、すぐに示談金や慰謝料を払わないと収監されるなどの状況を装い、所定の口座へ大金を振り込むように仕掛けるというものです。
架空請求詐欺は、有料サイトの利用料金やテレホンサービスなど、架空の事実を装って料金を請求する文書などを送付して、現金を預金口座に振り込ませるなどの方法により、だまし取る手口がほとんどでありましたが、銀行口座の不正利用に対する罰則が強化されたため、現在ではコンビニエンスストアで購入可能なネット決済専用のプリペイドカードの番号を、電子メールやファクスで送付させるという詐欺でございます。
融資保証金詐欺は、実際に融資しないにもかかわらず融資する旨の文書等を送付して、融資を申し込んできた人に対して保証金などを名目に、現金を預金口座に振り込ませてだまし取るという詐欺です。
還付金詐欺とは、税務署や区役所などを名のり税金や医療費などを返還する、今日が手続の締切りだ、ATMで手続ができるなどと言ってATMに行かせ、携帯電話で還付手続を指示するふりをして、実は犯人の口座へ振り込ませるという詐欺です。
詐欺事件の時間帯としては、家の中で電話に出る人が1人でいる場合が多く、しかも金融機関での振込可能な時間である平日の午前10時頃、また、午後2時半頃が多いという統計があります。ちょうど9日前の2月22日の地方紙に、電話でお金警戒をという大きな見出しで次のような記載がありました。
電話でお金詐欺による被害が2021年、県内で大幅に増えた。認知件数は、前年比47件増の88件で、被害額は約3.4倍となる1億7,110万円に達した。件数は4年ぶり、被害額は2年ぶりの増加。被害者の7割強が65歳以上の高齢者だった。熊本県警生活安全企画課は、電話での会話の中でお金の話が出たら、まず詐欺を疑い、家族や警察に相談してほしい。周囲にもATMの前で電話を使用しない、させないという意識を定着させることが被害防止につながると呼びかけている。以上のような記事でございました。
そこでお尋ねいたします。
熊本県内最大の地方公共団体である本市は、最も高齢者に接する機会が多いと存じます。市役所、区役所の窓口に来られる高齢者の方、また、
民生委員、老人クラブなどの福祉関係団体や社会福祉法人の方々など、日常生活の中で接点を有する機会も多いと存じます。犯罪から市民を守り、安全・安心なまちづくりを目指す上で、本市が取り組んでおられる対策及び具体的な対応について、文化市民局長にお尋ねいたします。
〔横田健一文化市民局長 登壇〕
◎横田健一 文化市民局長 振り込め詐欺等につきましては手口が多様化しているため、熊本県警では令和2年1月から電話でお金詐欺と呼称し、広く注意を促しているところでございます。
熊本市消費者センターには令和2年度中に、電話でお金詐欺に関する相談が154件寄せられており、そのうち4割弱が高齢者からの相談となっております。相談の多くはメールや封書による架空請求であり、相談者に対しましては架空請求に記載されている連絡先には電話しないように助言するとともに、相談内容によっては警察署へも相談されるよう案内しているところでございます。
市民の皆様への注意喚起といたしましては、市政だよりや市ホームページをはじめテレビやラジオ、ツイッター等の各種広報媒体を活用し、分かりやすく詐欺の実例を交えるなど、被害に遭わないための対策を紹介しているほか、令和3年4月からは熊本県警の協力を得て、ゆっぴー安心メールを熊本市公式ラインのくらしの安全情報に登録いただいている方へ自動配信することで、迅速な情報提供に努めているところでございます。
また、高齢者への対応といたしましては、先ほど申し上げました広報媒体による周知に加えまして、日頃高齢者と接する機会の多い地域包括支援センターささえりあ等の地域の福祉関係者への出前講座を実施して、地域の見守り力の向上にも取り組んでいるところでございます。
今後とも引き続き様々な機会を捉えて啓発を行いながら、また、
関係機関と連携して詐欺による被害のない、安全で安心なまちづくりに取り組んでまいります。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 今、関係者と連携して詐欺などによる被害のない、安全で安心なまちづくりに取り組んでまいるという御答弁をいただきました。
これは本市だけが単独でできるものではないと存じます。警察はじめ金融機関などとも連携を深めて、高齢者の財産や生活費が悪人に奪われることがないように、さらに啓発に努めていただきたいと存じます。
続きまして、市街化調整区域における集落内開発制度の見直しについてお尋ねいたします。
皆様御承知のとおり、都市計画区域には一般に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めることができると規定されておりますが、政令指定都市は区域区分を定めなければならないとされております。市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域であります。集落内開発制度は、市街化調整区域の指定により開発が制限されている地域のコミュニティの維持を目的として、開発や住居、店舗の建築が可能となる制度です。
本市におきましても、旧3町との合併の経緯から平成22年に集落内開発制度が導入されました。そのおかげもあり南区においては市街化調整区域の占める割合が大きいにもかかわらず、ここ10年で人口は増加し続けており、地区のにぎわいも何とか保たれております。
しかしながら昨年10月に突如として、法改正に伴い、本年4月からは浸水、土砂崩れなどによる災害リスクの高いエリアに関しましては、集落内開発制度の対象地域から除外することになるという趣旨の地域説明会が開催されました。現在、集落内開発制度対象区域の大半が除外となる富合、城南区域の住民の方々からは様々な反対の意見が上がり、昨年12月末には、住民代表の方から市長に対して見直しを求める要望書が提出されたところでございます。
本定例会に上程されている改正条例案は読みづらく難解で、具体的な条件に関しては示されておらず、住民の方々からは多くの不安の声がまだ寄せられております。具体的には、昨年の地域説明会で示されたような3
メートルの地盤のかさ上げや、平屋の住居を認めないという条件が設定されるのではないかという不安や心配であります。
そこで、本件に対する対応策として、具体的な開発条件や建築条件を早急に明らかにしてはいかがでしょうか。該当地区に住居を建てようという意向のある方にとりまして、当該条件によりどれくらい建築費や諸費用が増加するのかという見積りを立てやすくすべきであると考えます。加えまして、制度改正に伴う開発などの中断期間が発生しないようにすべきであると考えます。
執行部としてはどのような条件を付加するのか。また、いつ頃までに公表するつもりなのか。さらには開発などの中断期間が発生することはないのか。市長に具体的な答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今回の法改正等による具体的な取扱いについては、先日の代表質問で都市建設局長がお答えいたしましたとおり、3メーター以上の浸水想定エリアを集落内開発制度指定区域から一律に除外することはせず、安全上及び避難上の対策の実施を条件に付すこと等を考えております。
内容等の詳細につきましては、現在熊本市、合志市、菊陽町、嘉島町、益城町の2市3町で構成されます熊本都市計画区域において、整合が図れるように調整中でございまして、現段階では公表の時期をお示しできないものの、できるだけ早期に提示できますよう努めてまいります。また、それまでの間は開発等の中断期間が発生しないよう、規則等の改正により対応してまいりたいと考えております。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 本件につきましては、我が会派から市長宛ての政策要望の中にもありますが、令和3年12月28日に地元自治協議会会長から大西市長へ直接、集落内開発制度の見直しに係る要望書が手渡されました。それから2か月が経過しまして、今、市長から御答弁いただきました。
3
メートル以上の浸水想定エリアでは、安全上、避難上の対策の実施を条件に付すものの一律に除外することはしない。その内容などの詳細については、2市3町で構成される熊本都市計画区域において整合が図られるよう調整中であり、できるだけ早期の提示に向けて努める。また、それまでの間は開発などの中断期間がないように、規則等の改正により対応するという答弁をいただきまして、対象地域の方々への配慮ある対応を考えていただいていることが分かり、安堵いたしました。防災は重要だと認識しておりますが、防災だけがまちづくりではありません。防災もまちづくりにおける要素の一つとして、市民生活の現実に即した対応を引き続きお願い申し上げます。
続きまして、最後の質問となります都市計画区域の線引きの見直しについてお尋ねしていきます。
まず、見直しの手順について。
合併後のまちづくりと都市計画区域の線引きについては、1年前の令和3年第1回定例会の
一般質問において、我が会派の田中誠一議員より、政令指定都市移行9年目を迎え、地域振興の観点から線引きの見直しを検討すべきではないかという趣旨の質問がなされました。質問に対して市長の答弁は、令和7年に予定されている区域区分の変更に際しては、社会情勢の変化や土地利用の動向、また、近年頻発し激甚化する自然災害への対応など総合的に勘案し、適切に見直してまいりたいという答弁であり、見直しはするとされたものの、具体的なスケジュールなどについては明言されない答弁であったと受け止めております。
令和5年には農業振興地域整備計画の見直しが予定されております。そして、その2年後の令和7年度には都市計画区域の線引きの見直しということですので、見直しの手順などを考えれば今から検討に入る必要があるのではないでしょうか。
そこで、今後どのような手順で線引きの見直しを進めていかれるのか、もしまだ本市としてのスケジュールが現段階で明確に決まっていないのであれば、少なくとも一般的な流れでも構いませんので、市民の方々が理解できる分かりやすい説明を都市建設局長にお願いいたします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉 都市建設局長 ただいまの見直しの手順についてお答えいたします。
市街化区域と市街化調整区域の区域区分、いわゆる線引きの見直しの手続につきましては、現在、熊本地震の影響や人口動態、社会情勢の変化によります土地利用の動向など、市域全域で調査を実施しており、その後、将来の土地利用の見通しについて解析を行うことになります。
この結果を踏まえまして、熊本都市計画区域全体の整備、開発及び保全の方針、いわゆる熊本都市計画区域マスタープランを県が策定され、この中で市街化区域の規模が示されることとなります。本市はそれを踏まえまして、令和7年に区域区分の見直しを実施する予定でございます。
〔9番 平江透議員 登壇〕
◆平江透 議員 現在、市域全域で熊本地震の影響や人口動態、社会情勢の変化による土地利用の動向などの見通しについて調査をしている。その結果を踏まえて、県の策定する熊本都市計画区域マスタープランの中で市街化区域の規模、いわゆる割合が示されるので、本市はそれを踏まえて令和7年度に区域区分の見直しを実施するとの答弁をいただきました。
質問を続けます。
川尻駅、富合駅を中心とした市街化調整区域の面積割合についてお尋ねします。
我が国は人口減少社会に突入していることから、都市をコンパクトにまとめるという方向性は財政的にも合理性があり、無秩序な開発を規制するためにも、市街化区域と市街化調整区域という区域区分を設定することは必要なことだと理解しております。高度経済成長期には全国の至るところで都市への人口集中が進み、その結果、市街地が郊外に拡大し、ニュータウンと呼ばれる郊外の団地が至るところに建設されました。しかし、その後の人口減少に伴い、都心部の空洞化と市街化における空き家、空き地の増加など、いわゆる都市のスポンジ化が進んでおります。
平成14年にはこうした時代の流れを受けて都市再生特別措置法が制定され、この法律に基づき持続可能な都市の発展を目指して、国土交通省の旗振りにより全国の都市において立地適正化計画の策定が奨励されました。令和3年7月現在で全国398の都市において立地適正化計画が策定されており、本市もその一つであり平成28年に策定されております。
立地適正化計画の策定意義は都市計画と公共交通の一体化、いわゆる住居と都市の生活を支える機能の誘導によるコンパクトなまちづくりと、地域交通の再編との連携によるコンパクトシティ・プラス・ネットワークです。医療、福祉、商業、公共施設、金融機関などの都市機能誘導区域と居住誘導区域を鉄道、バス、コミュニティ交通等で結ぶことが、都市に生活する住民の利便性向上に重要であることを強調してあります。
話を市街化区域と市街化調整区域という都市計画の話に戻します。この立地適正化計画の理念を踏まえれば、既存のJR駅周辺は市街化区域に含まれるべきではないかと考えます。JR鹿児島本線で本市南側に位置する川尻駅、富合駅周辺については、市街化区域に含まれていない現状が著しく見られると存じます。
両駅を中心に半径800
メートル内の市街化区域と市街化調整区域の面積の割合は、おのおのの駅で何%でしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。